2003/09/30

賑やかな夜明け

もうすっかり深い時間。車を走らせ帰宅する車内。
途中で交代して、私は運転をしている。
その日はとても晴れていて、山道を走りながら時々窓の外では行ったり来たり、星が白く大きく見える。
やがて、すこしずつ明るくなってきて星が線を引いて透明になっていく。
夜明けの輪郭がとても賑やかで、跳ねているというか、ウキウキしているというか、その豊かで新鋭な感情がどんどん溢れてきて、色んなことが繋がってきた。


10月29日、ミニアルバム「イメージ」が発売される。
全6曲。
あらゆる要素が取り込まれた、純粋で、ポップな溺愛の一枚だ。
私は全身音楽でいたいと常に思っている。
私の中から煙のように立ち込めてくる人としての生きる姿が、醜いものも、美しいものをも押しつぶして(膨らませて)放り出していくことは生活であり、音楽だけにとどまらずこうやって行を積むことも写真を撮ることも本を読むことも、寝ることも食べることも、人と過ごすことも。
生活の中から芸術が(あえて芸術という言葉を用いますが)生まれるその瞬間に私はとにかく忠実でありたいと思うのである。


完結では決してないが、
「イメージ」のなかに今のネルソングレート三人で出来ることをちゃんと放出できたと思っている。
りんの斬新で豊かなリズムも、英史君のメロディックなスタイルも、私の本気の唄と暴れだしたピアノも。
ざわざわと夜明けが賑やかになってきた。
手にしてくださる方々に色彩豊かなイメージが広がればいいなと願いつつ。


よく晴れた初秋の明け方と絡めて。

2003/09/01

ビートルズと愛

ひとまわり違うねずみ年生まれ同士がひとりずつ、とり年がひとり、そしてうま年の私、
年齢なんて超えちゃったピープルで先日食事をした。
中庭のあるお店で、お酒がたくさん飲めない私は河内花茶という香りのよいお茶と、
火鍋をたべて、少し風の強い夜を直接肌で感じながらの食事であった。


お昼間に見せていただいた山本健という美術家の美しい日々という作品集のこと、
恋愛、音楽、そして自分を取り囲む日常について。
それぞれ、自分のスタイルを的確ではなくともリアルにリアルに話していく。
こんな風に自分を表現できる場があるということが、それぞれとても嬉しいことのようで、
そのリアルを受ける姿と、リアルを表現する様が
とても潔くて面白かった。


私より少し上のねずみ年うまれの素敵な女性は
近頃特に佇まいが美しくて、人としての輪郭をちゃんと描いている。
17歳のお子さんがいらっしゃるとり年生まれの女性はとても頼もしくて、
性別を超えた豊かな包容を感じる。
40歳を過ぎてギターを始めた胸の真ん中が少年のような少し天邪鬼なネズミ年生まれの人は
酔っ払って白いシャツの裾をおなかの上で結びながらこう叫んでいた。

「ギターの先生がいてさ、ビートルズとかもちろん全曲楽譜がなくても弾けるんだけど、
上手いとかそんなんじゃないんだよ。愛なんだよ。愛!!!」

ビートルズを愛で弾く。
なんて素晴らしいんだと実はとても感動したのである。


大事な約束をしてしまったので、
近いうちに実現することになると思うのだが、
とても楽しみだなあ。
と、少し風のある夜を鳴らしながらそう思った。